“magazine” の意外な意味 ー 倉庫から雑誌まで

“magazine” の意外な意味 ー 倉庫から雑誌まで

英語学習をしていると、同じ単語なのに全く違う意味を持つ単語に出会うことがあります。その代表例の一つが magazine です。多くの人がまず思い浮かべるのは「雑誌」でしょう。しかし、最近のニュースを読むと “magazine”「弾倉」や「倉庫」**という意味で登場することがあり、混乱してしまうことも少なくありません。

語源をだとると「倉庫」そして「知識の倉庫」へ

実は magazine の語源は、アラビア語の makhazin (=倉庫)にさかのぼります。17世紀のヨーロッパでは、主に「武器や火薬を保管する倉庫」を magazine と呼んでいました。つまり、当初は「雑誌」とは全く関係のない言葉だったのです。

やがて18世紀、イギリスで創刊された「The Gentleman’s Magazine」という雑誌が登場します。このとき編集者は「知識や記事を集めた倉庫」という比喩で magazine を誌名に用いました。この影響で「雑誌」という新しい意味が広まり、現代英語ではむしろこちらの方が一般的になったのです。

ニュースで見かける high-capacity magazine 

米国の銃規制団体 Everytown for Gun Safety の公式ページでは、次のような表現が出てきます:

High-capacity magazine prohibited (大容量弾倉の禁止)

ここでの magazine はもちろん「雑誌」ではなく、銃に装填して弾丸を供給する部品 = 「弾倉」の意味で使われています。

high-capacity magazine とは「一度に多くの弾丸を込められる弾倉」のこと

・大規模な銃乱射事件で使われることが多く、短時間に大量の発砲を可能にするため、被害を拡大させる要因とされている

・そのため、アメリカの一部の州では所持・販売を禁止している

英語での使われ方の例

  1. The state has banned high-capacity magazines. (その州は大容量弾倉を禁止している)
  2. Police found several loaded magazines at the scene. (警察は現場で弾丸の装填された複数の弾倉を発見した)

“read a magazine (雑誌を読む)” と比べると、同じ単語でも全く別の意味になりますね。

まとめ

ニュースに登場する magazine を「雑誌」と誤解してしまうと、内容理解を誤ることになってしまいます。同時に、この単語が「弾倉」を意味するとき、そこには銃社会の現実や人々の安全をめぐる議論が背景にあります。大容量弾倉を禁止する法律は、銃乱射の被害を少しでも減らし、人々の命を守るための試みです。英単語の学習を通じて、言葉だけでなく平和や安全に関する世界の課題にも触れられるのは、語学学習の大きな意義のひとつですね。

もしニュースでこの単語に出会ったら、「この magazine はどの意味だろう?」と考えると同時に、その言葉の裏にある社会の現実や、平和に向けた取り組みにも目を向けてみてください。

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