「海外オペレーションと今後の語学学習の考え方」1/7
丁度マニラに移住を開始して3年目を迎えました。
フィリピンは治安が悪く怖いところとのイメージがありますが、高級コンドミニアムはすべてガードマン、プール、アスレチックジム付で快適に暮らしております。
退職者ビザも大変ゆるくて簡単におりますので、日本の寒いときにフィリピンで暖かくなって日本の生活も良いと思います。生活費も安く、良いゴルフ場もたくさんあります。メードも安く雇うことができます。
昨年の12月に大きなパーティーがあり、仕事上のパートナーに誘われて食事会に出たところ、観光省の長官がお隣に座って食事をすることになりました。長官といっても40歳前後の大変きれいな女性です。
名刺をもらって拝見すると、旧姓にRomuroとありましたので、ひょっとしてロムロ将軍と関係があるのではと尋ねたところ、私のお爺さんとのことでした。ロムロ将軍は戦後永らく外務大臣を務めた方です。東南アジアの各国の外務大臣が就任すると、ロムロ大臣にアドバイスを聞きにいくほど尊敬された方です。
実はロムロ将軍をごく近くでお見受けしたことがあると長官に話をしました。
この方の嫁ぎ先も有名な政治家の一族で、大きな通りの名前になっているくらいの一族です。
約40年近く前に、私はマニラが最初の赴任地でした。約3か月の単身赴任後に家族がマニラに来たほんの数日後に、私は尿路結石で病院に担ぎこまれました。
死ぬ思いの痛さです。現金を払わないと痛み止めの一本も打ってくれない状況の中、なんとか結石専門のアメリカ帰りのお医者がいて救われました。
退院の日に病院の玄関に向かっているとすごい人だかりです。そしてものすごい写真のフラッシュです。
私の移動とともにこのフラッシュも動いていくのです。
なんと、ロムロ外務大臣が私の前を歩いていて、この日が退院の日とのことでした。
ロムロ大臣、その両脇のボデーガード、その後ろに私が歩いていて、翌日のマニラの新聞にロムロ大臣の顔の上に私の病み上がりの間抜け面が写っている写真が出てしまいました。
ロムロ将軍はフィリピンでは英雄の一人です。マッカーサーが山下大将の猛攻撃を受け「I Shall return.」という有名な言葉を残してオーストラリアに移動しました。
戦局が変わり、マッカーサー元帥がフィリピン上陸の際に一緒におられたのがロムロ将軍です。マッカーサーが膝まで海水に浸かって上陸用舟艇から飛び降りて、そのあとにロムロ将軍もあとを追ったが、背が低いため首まで浸かって溺れかけたというJOKEがあるくらい小柄な方です。それで私の顔がマニラの新聞に出たわけですが。
かってロムロ外務大臣がテキサスで講演会をしたことがあります。
有名なJOKEがあります。
「I feel I am a Dime among Nikkels.」
テキサスは大男ぞろいです。一方のロムロさんは特別小男です。
開口一番のこのJOKEでテキサスの聴衆は大笑いです。
Dimeは銀が入った10セント硬貨です。銀が入っているため小さいのです。
一方のNikkelは5セント硬貨ですが、Nikkelのため大きい硬貨です。
つまり自分はなりは小さいけど諸君等より価値があるぞとJOKEを飛ばしました。
大変ユーモアとウイットに富んだ方とフィリピンの長老から伺っております。
清水 大輝
筆者略歴
- 昭和47年 工学部機械工学科卒業
- 三井系の機械メーカーに就職
- 海外製鉄所向けのプラント
見積もり設計の国際入札の窓口を5年経験 - ケミカルメーカー
国内営業を経験後、フィリピン・マニラに駐在事務所を開設 - シンガポール駐在を経て米国ロスアンゼルスに赴任
- 米国でデトロイト、アトランタの事業所を開設
- LAとオハイオに工場を建設
- ノースアメリカの代表となる
- 大手自動車メーカーとの取引を10年かけて開始
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